門前菓子 上御霊神社の唐板

店に掛かっている暖簾やこのエントリのタイトルを見てもらっても判るとおり、看板文字は「たいらか」ではなく「からいた」の右書きだ。

お店の名前は水田玉雲堂(みずたぎょくうんどう)さん。

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暖簾に書かれた創業年の文明9年は1477年、応仁の乱が終わった年である。




写真右側がこのお店、左が上御霊神社の正面鳥居だ。鳥居の右下に社号標がありその右手には石灯籠に立てかけられた緑色の看板。看板にある「囀市」(さえずりいち)は五月以外の毎月18日に開かれるフリマだそうだ。

で、さらにその右下にある小さな石碑には「応仁の乱勃発の地」とある。そりゃ内戦が終わらなきゃ店も出しにくかっただろう。

お店で応対して下さった奥様(若奥様?)によると、このお店は当初上御霊神社の境内にお店があったと仰っていたが、考えてみればお店が門前に移転したと言うより上御霊神社の境内が狭まったと言う方が自然なような気がする。

もともと応仁の乱の最初の戦闘が行われたぐらい広大な敷地を持つ神社だったわけだし。




お店に入る。

ガラス戸のおかげで店内は明るいが、照明などに工夫がされている最近の店とは違い、自然光たっぷりの室内なので逆に写真は撮りにくい。

カウンターの机の上にあるのがこの唐板である。すぐに食べる人用に包装紙に包んでないものだ。包装紙に包んだものは奥の箱に入っている。




お店自体は小さく、5人も入れば満員状態になる。もちろん飲食スペースはなく商品も唐板一種類だ。




壁に掛かっていた褒章状。全国製産品博覧会とあるが、この年に始まった博覧会で好評だったらしく次年度には第二回が開かれ、結構続いたらしい。

明治34年とあるので1901年、実に113年前の賞状だった。




シンプルな包み紙。




中はこんな感じで、上でカウンターの上のバスケットに入っていたのはこのスタイルの商品だ。お値段は税込700円




シンプルな焼き菓子なので賞味期限はおよそ3か月(未開封)とお土産にもいいかな。

唐板と言う名前だが、当初は小麦粉を水で練って焼いただけのものだったらしい。

と言うのも、この唐板、遣唐留学生であり、上御霊神社のご祭神さまの一柱でもある吉備真備(きびのまきび)さまが帰朝の折、唐から持ち帰ったお菓子だと言う風に言われているのだ。

ところが、日本には当時砂糖がなかった。砂糖は吉備真備様の帰朝から18年の後、鑑真和尚によってもたらされたと言うのが定説になっている。また、唐においても砂糖は甘味料ではなく医薬品として用いられていた時代でもあったはずだ。

それが時代が下がるにつれ砂糖が入り卵が入りと工夫されていったとのこと。特に南蛮貿易が盛んになった戦国時代には輸入品として砂糖はかなりの量が流通したらしいので、このお店の創業時期にはそれなりに砂糖の入手も可能だったんじゃないだろうか。

一方、その後引き続き香りづけや味のバリエーションなどの研究も行われたものの、とどのつまり原点のシンプルなものがベストと言う結論に達したとも聞く。

味はふんわりと優しい甘みで軽くて心地よい歯触りの焼き菓子だ。




大きさは見ての通り60mm×30mmより少し大きい程度、厚みは2mm前後だ。

枚数は50グラムで26〜7枚入っているので一枚当たり2グラム弱。それから推定するならば一枚当たりのカロリーと糖質は多くても8kcal / 1.6g程度だろうと思う。まぁ、一気に10枚ぐらい喰えてしまいそうな美味しくて飽きない味なのがかえって怖いが。






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門前菓子 石清水八幡宮の走井餅

走井餅(はしりいもち)である。走り井餅ではないので注意が必要だ。

走井と言えば東海道五十三次にも登場する。

この真下だけは楽天アフィリエイト。

大津宿と言えば現在の滋賀県。それがなぜ京都府八幡市のにある石清水八幡宮の門前菓子になるのか。それは本家廃業と相続に理由があった。


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現在のやわた走井餅老舗。その名の通り、大津宿に湧出した名水走井を用いて初代当主が餡餅を発売したのが18世紀半ばだと言う。粟田神社のエントリで紹介した小狐丸の三条小鍛冶宗近がこの名水で刀を鍛えたという故事にちなんで、刀身に見立てた餡餅を作ったのだそうだ。

明治の終わりごろ、六代目当主の四男さんがやはり名水で名高いこの地にも走井餅を開店したのだが、直後に大津の本家が廃業してしまったそうで、直系のお店はここにしか残っていないと案内されていた。お店のブログを見ると、オンラインショップの店長さん(若旦那さんかな?)は十一代目さんだそうだ。浮世絵に描かれた大津の本家跡は大正時代に日本画家の橋本関雪の別邸になった後、現在は臨済宗瑞米山月心寺と言うお寺になっているそうで、名水の井戸は健在とのこと。




これがお店の正面。昔の門前の茶店の風情が良く残されていて悪くない。




この土地はもともと石清水八幡宮への参拝客たちのための旅籠だったものを茶店にしたようで、旅籠時代の講中札が数多く残されていた。

講中札:特定の社寺に参詣するための各地のクラブのような集まり「講」のメンバーが定宿にしている目印に宿屋の表に掲出した木札のこと。




店内、厨房へのカウンター部分。石清水八幡宮さんのおひざ元だがえべっさんの福笹がお祀りされていた。




店内とはガラスで仕切られているが、お庭の側にも席が設えられている。




これが走井餅とお抹茶のセット550円(税込)。お抹茶は宇治茶だが同じ八幡市内に本社を持つ福翠園の物を使っているそうだ。福翠園は以前紹介した流れ橋から直線で1kmと離れていないところにある。

まろやかで香りのよいお茶だったぜ。




名刀の刀身をモチーフにしたと言うお餅のアップ。はかりは持ってなかったのだが、多分1個20グラム前後じゃないだろうか、小さいもんだった。




餡は漉し餡だ。お餅は打ち粉がそのままの透明感のある物で、何となく羽二重っぽく感じられるが、羽二重餅ほど甘くないし弾力も違うように思う。

まぁお餅の柔らかさをある程度保たせようと思ったら、水あめや砂糖、現代ならトレハロースなどをお餅に混ぜ込むので、ある程度羽二重餅っぽくなるのは共通要素になるのかもな。




お庭越しに塀の外を見ると石清水八幡宮の一の鳥居が見える。




店内にはゑびす神社の福笹があったが、お庭の入口には千木鰹木の載った流見世棚造の祠にお稲荷さまがお祀りされていた。商売人らしくて良いねぇ。

そうそう、もともと本家のあった大津の方だが、ご親戚筋の人が井餅と言うブランドで同様の商品を製造されている。本社はもともとの走井茶屋だった月心寺から国道1号線に沿って1km弱東に行ったあたりだ。販売を京都の有名店井筒八つ橋本舗に委託されている。賞味期限も八幡のお店が製造日を含めて2日なのに対し、井筒さんに委託されている方は15日と長いので、全国から通販で求めるならこっちの方が便利かもしれない。まぁ、本家筋を取るか利便性を取るか、あるいは食べ比べてみるのもまた楽しみの一つではあるな。






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今日の七十二候 7月18日 小暑末候:鷹乃学習
(ようだいがくしゅう / たかすなわちわざをならう)




            

門前菓子 上賀茂神社のやきもち

京都には神社仏閣が多い。だから畢竟門前菓子の種類も多く、いわゆる名物になっている物も少なくない。ってことで今回は賀茂別雷神社(かもわけいかずちじんじゃ:上賀茂神社)の門前菓子、「やきもち」を紹介してみよう。

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上賀茂神社の門前には少し離れて二軒のやきもち屋さんが存在するが、今回はこの神馬堂(じんばどう)を紹介する。現在のスタイルのやきもちは江戸時代後期以降の物らしく、二軒のお店の内古い方のこのお店ですら明治五年創業とそれほど古いわけではない。

もう一軒の方は当代の若旦那で三代目と言うから、恐らく昭和の創業なのだと思う。




小屋根にはあおいもちの看板が。賀茂大社の神紋にちなむこのお店のやきもちの商標らしい。しかし、十人中十人がやきもちと呼んでいるのはなんだか微妙。もう一軒のやきもち屋さんが葵家と言う店名なので、このお店のやきもちをあおいもちと呼ぶ人はほとんどいないようだ

このお店はやきもち一種類だけの商いで早朝から焼き始め朝八時に開店。売り切れを持って閉店となる。一応16時閉店と言う事らしいが、天候不良などで客数がよほど少なくない限りそこまで持たないと聞く。




お店の全景。あいにくの強めの雨、朝八時半、それでも車で買いに来ている人がいた。テイクアウトだけで、店内に飲食できるスペースはない




買ってきた。雨の日だったので少し濡れて包装紙がしわしわになってしまった。




二個置いてみた。搗きたてのお餅で粒あんを包み焼いたものである。餅に砂糖や水飴を練りこんでないのですぐに固くなる。消費期限が当日限りと言うのはそれが原因だろう。

このお店のやきもちは個包装してない。もう一軒のやきもちは個包装タイプで2〜3日は持つようだが、個人的には買ってすぐ食べることを前提にこのお店のやきもちが好きだ。




カットしたところ。見た目だけで言えば焼いた小さな大福もちと言った風情である。しかし、その餅の伸びや餅質の高さ、餡の絶妙な甘さと小豆の香りのよさなどここでしか味わえないものだと言いたい。

重量はおよそ40グラム。大福餅を参考にした場合推定で約94kcal、糖質約20グラム。俺のような糖尿持ちでも1個なら問題なさそうだ。

ネット情報などを見ると、結構詳細な京都情報を掲載しているサイトなどでも「餡を包んだ羽二重餅を焼いたもの」と言う誤った情報が流れている。羽二重餅は福井の名物で餅粉を蒸し上げてから砂糖・水飴を加熱しながら練りこんだお餅である。糖分の効果で一週間から10日くらいは固くならない。

一方、このお店のやきもちは搗き上げたお餅を使っているので買って5〜6時間もすると固くなっているのだ。まぁ、ちょっと焼くとか電子レンジで加熱すればいいと思うけどな。

おそらくもう一軒のやきもち屋さんが自社サイトで滋賀羽二重糯米を使っていると宣伝しているのが誤解を招いたのだろう。滋賀羽二重糯米はもち米のブランドで、大変美味しいもち米の一つだが羽二重餅と直接の関係はない。もちろん滋賀羽二重糯米で餅粉を作って羽二重餅に使うことはあるけどな。




包んであったのを開いたのでシワシワだが、このお馬さんの包み紙は一部好事家のコレクターズアイテムなのだそうだ。5個以上で買った場合はこの包み紙で包んでくれるので、これ欲しさに一人五個食べる人もいるとか。ま、甘すぎない旨さだから若い頃だったら十個でも食べられたかもしれないけどな。






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門前菓子 三宅八幡の鳩餅

以前、三宅八幡宮の門前菓子として看板だけ紹介した鳩餅をお客さんからいただいた。

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思ったより小さい。名前から「ひよこ」のような立体的なものを想像していたのだが、団子のような感じの生地を平面的に鳩の形に抜いたものだった。団子と言ったが、一口齧った感じでは京都で言う「しんこ」、関東方面の名前ではたれぱんだの好物とされる「すあま」のような感じだった。名古屋の「ういろう」にも似ているが、食感がちょっと違うと思う。

作っているメーカーは有名どころだった。考えてみりゃ、しんこ(すあま)と生八ツ橋はどちらも米粉と砂糖を蒸し上げて練ったものがベースだから造りやすいのかもな。

異なるのは米粉の粒度(しんこは新粉・上新粉、生八ツ橋は上用粉)と練り上げた後の処理に多少の差(延展か搗き上げか)があるくらいかな。シナモンの濃さも違うかもしれない・・・

ってことで計算。1個約30グラムなので、80kcalと糖質18グラムってところかな。これなら一個味を見ても良いだろう。・・・うん、結構いける優しい味だ。糖質制限してなけりゃひと箱全部だって食えそうな感じだな。

味は三種類、白と抹茶とニッキ。まぁ定番だわな。あとの二種類は写真に収める前にカミさんとお客さんとで平らげられてしまっていた。w






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