争点

さて、いよいよ明日は選挙の日だ。

政党が乱立気味で、各々の主張が入り乱れているので評価が難しいのも事実だが、有権者の方も争点となっているものの評価の仕方が判らずにウロウロしているんじゃないだろうか。

例えばTPP。

ぶっちゃけた話、交渉に参加するかしないかなんてどうでもいいのだ。参加してもしなくても巨大なデメリットが発生する。まぁ、同じようにどっちに転んでも大きなメリットもあるんだけどな。

交渉に参加しないと決めたら国際社会からつまはじきにされる部分は確かに存在する。でも、強力な経済と外交を柱に政治が力を持っていれば恐れる必要はない。

交渉に参加すれば、アメリカなどが社会保障制度を崩すような要求をしてくるだろうと言う可能性はある。しかし、強力な経済と外交を柱に政治が力を持って押し返せば何の問題もない。

要するに、強力な経済と外交を柱に力のある政治を行えばどちらに転んでも問題はないし恩恵を被ると言えよう。一方、それがなければ参加の有無を問わず日本は食い物にされる。

だから、TPP交渉参加の是非を選挙の争点にしている段階でその政党はダメだってことになる。


例えば軍事問題。

アメリカの言いなりになってはダメだとか、オスプレイ配備反対とか、自称平和主義者たちの甘言が耳につく。じゃあ、安全保障はどうするんだと問うと、スイスを引き合いに出す人も珍しくない。

本当に判って言ってるのかねぇ。スイスは重武装中立国で、完全徴兵制だし、現役を退いて予備役になっても武器を自宅に持ち続ける義務もある。それどころか日本で言う町内会単位で重火器を保管する倉庫を持ってたりするんだ。

戦争の際に負けそうだとなったら自国の領土・国民・施設を敵に利用させないため、自国民を殺害、自国の施設を焼き尽くしてでも中立を守ることになっているんだぜ。さらに、ハーグ条約に基づき、領空侵犯機は所属国を問わず即撃墜の義務を負っている。日本国憲法第9条の精神とは見事に対面なんだよな。


例えば原発問題。

現実的な選択肢を提示してくれる政党ってあるのかねぇ。

俺個人としては原発の管理の難しさから、原則廃炉の方向で持って行ってほしいと思っているが、俺が生きている間には不可能だろうと考えている。一切新設しないとしても、現行発電所を完全に始末するには100年近くかかるんじゃないかな。

卑近な部分から言うと、原発は運転を停止しただけでは危険性は減らない。そのことは運転していなかった福一4号機を見ても判るよな。

なんとか炉心を冷まして燃料棒の抜き取りを開始したとしても、その燃料棒はどうするんだ?

燃料棒を抜き取った炉体も「熱い」状態のままだぜ。それを解体するとかすれば大量の放射性廃棄物が生まれてくる。それをどこで始末するんだい?今の原発のままセメントで固めちゃうのか?地震が起きたらひびが入って漏れ出すぜ。

そして何よりもそれに必要なコストはどこから出すんだ?もちろん代替発電所の新設コストも必要だよな。全部電気代に転嫁したりしたらいくらになるのか考えたくもない。


例えば消費税問題。

消費税と言う風に特化しちゃうから論点がぼける。社会保障や国債の問題を持ち出すまでもなく、税収不足はだれの目にも明らかだ。だから、何らかの方法で歳入を増やす必要がある。

中には貯蓄に対して課税すると言う、どこの独裁主義国家だよってバカもいるが、それは横においといて、消費税ってのは金持ちから税金を取るのに適したシステムだという事に意外と気づいていない人が多い。

金持ちは金持ちの立場を維持するために金持ちでない人よりは消費金額が多いってことは誰でも判るよな。逆に言えば貧乏人と金持ちが同じ金額しか消費しないのであれば金持ちである必要性がない。むしろセキュリティの面で金持ちの方が不利になる。(笑)

消費金額が多いと言う事は自動的に消費税を支払う事になる。消費税は商品価格に包含される税金だから逃れようがない。直接税の場合、金持ってヤツはあれこれ工夫(笑)するよな。

また、単純に買い物だけを見れば収入にかかわりなく5%の税金を取られるから逆進性が問題になることもあるが、これは消費意欲と経済効果に踏み込んでない考え方だ。

例えば、所得税率の累進課税を強くして、高額所得者の直接税率を引き上げたとしよう。これによって消費税を10%にした時と同じだけの税収が上がるようになったとする。

あなたがその金持ちの立場だったらどうする?当然可処分所得が減るから買い物を控えるようになるよな。すると消費税の収入は減る。

直接税で入ってくる税金は、それ以外の要素として働かない。しかし、間接税である消費税は、税金としてだけではなく税収が上がるという事はお金が動くという事だから経済効果を生むという事でもあるのだ。

金持ちには金を使ってもらう方が社会の役には立つ。金持ちが節約するようになったらこの国は終わるよ。


とにもかくにも政治には知恵と力と経験と先を見通す力が必要だ。選挙と言うのは有権者に国家に対する責任を問うものでもある。だから選挙に行かないなんてのはもってのほかで、今取りうる最善を尽くすために選挙に行って投票してきてほしいと思う。

どこに投票するかなんてのは個人の自由だ。






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選挙

衆議院選挙の公示だ。

ま、3年前に予想した通り民主党は見事に日本と日本人を裏切ってくれた。予想通りの行動をとってくれた部分はうれしいが、実生活には迷惑極まりない。

という事ではあるが、だからと言ってこのブログを読んでくれている皆さんの今度の投票行動についてとやかく言うつもりはない。

自民党でも第三極でも共産党でも諸派でもトンデモ系でも、好きなのに投票してくれ。

ただ、俺としては判断のために物事を考える時のアドバイスを二つばかりしておきたい。

まずは目先のことだけにとらわれないで、どんな国に住みたいかを考えてほしい、軍備しかり、公共投資しかりだ。

二つ目は、目先のことに集中しなければいけないことを見落としてはならないという事である。

飢え死にしかけている人間に一週間後のフルコースを約束しても無意味だという事だ。自分の遺影の前に高級料理を供えてもらうより、今日おにぎりを食べさせてくれる方が嬉しいよな。

この二つ、二律背反ではない。見極めなくてはならない二種類の事象なのだ。

それに的確に応えてくれて、しかも空約束の裏切りをしないと自分が判断した人物・政党に投票しようじゃないか。






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尖閣諸島を実力で実効支配し続けなければいけない理由

尖閣諸島の守り方については様々な意見がある。
政治屋の中には日中共同開発なんてボケた意見を述べるド阿呆も散見される始末だ。

中国が欲しがっている海底資源の問題だけなら、それも検討課題に入れても良いかもしれない。飽くまで庇を貸して母屋を進呈する覚悟の上での話だが。

しかし、実際のところそうも言ってられないのだ。



話は変わるが、この画像を見てくれ。

画像はクリックで別窓拡大する。いつもよりちょっと小さめ。




さて、このゴムボールと竹とプラスチックと鉄でできた不思議なブツはなんだろう。




こうして見てみるとなんかSF映画に出てきそうな物体にも見える。




爆発




見ての通り、これ自身が爆発しているのではない








そう、シンプルな構造の

マインスイーパー
地雷除去装置

なのだ。


アフガニスタン出身で子供の頃ヨーロッパに亡命した研究者が作ったものらしい。地雷原に転がして、こいつが通過したルートは安全と言うシンプルな発想の物だ。

こうして対人地雷を踏んづけてバラバラになっても、パーツを補修すれば数回使えるとか。金属に反応して近接信管で作動する対戦車地雷に巻き込まれたら木端微塵で再生利用はできないようではあるが。

実際にはこいつが通ったすぐ横に地雷があるかもしれないなど、改良の余地はあるが、安価に材料が入手できて簡単に作れると言うのは大きなアドバンテージだ。

高度な地雷除去装置の到着を待つ間にも、地元の人には日々の生活がある。そのために安全な道を確保するためにはかなり有効だろう。


日本はオタワ条約を批准していて、既に対人地雷は地雷処理訓練用の6000発を残して全て廃棄された。

オタワ条約:対人地雷の使用・貯蔵・生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約
くれぐれもオタク条約ではないので注意。w
しかし、軍事大国アメリカやロシアなど、いくつかの国がオタワ条約を拒否している。その中でも地雷保有国はアジアに集中しているのだ。

中東もアジアに含まれることから、ある程度はやむを得ない部分もあるのだが、

中国
 
韓国
 
北朝鮮


もオタワ条約を拒否している。
 

そのため、まだ世界には敷設されている物を除いて1億6000万発の対人地雷の在庫があり、オタワ条約拒否国によって、条約を批准していない国や非公式な軍隊などへ生産と輸出が続けられている。

そのなかでも突出しているのが中国だ。

貯蔵量は1億1000万発生産能力も世界一である。国自体が陸軍国で、人権意識が皆無の国だから地雷に頼る傾向があるのかもしれないな。


さて、ここで本題に戻ろう。

なぜ尖閣諸島を中国に渡してはならないのか。もう判るよな。中国は尖閣に上陸したら、島全体を地雷原にするだろう。

中国は尖閣諸島自体が欲しいのではない。

マジシャンの左手として周囲の海底資源を欲しがっているように見せかけ、実際には中国海軍が太平洋に出て行くためのルートを確保したいのだ。

尖閣諸島が日本の領土である限り、そこに中国軍艦が出て来てトラブルになると米軍が出てくる。

逆に尖閣諸島を中国の領土だとすると、米軍に対する攻撃を行う大義名分ができると言う事だ。最低限でも共同開発と言う事になると、中国軍艦の通過にアメリカが文句を付けにくくなるって言う寸法である。


そして人民解放軍を島の上に展開して日米の奪還作戦を妨げるより、島の周囲だけ固めて島全体を地雷原にしてしまうのが安上がりだと考えかねないのがあの国だ。

そうなってしまったら、たとえ中国艦艇を全部撃沈して島を取り戻しても、その後陸地の確保のためにどれだけの将兵を犠牲にすることになるのか、考えただけでもおぞましい。


だから尖閣諸島は死守せねばならないと言う事になる。


こうしたことはピンとこない話かもしれないが、もう少し簡単に言うと、尖閣諸島が中国の物になると、中国のEEZは沖縄諸島のすぐそばにまで及んでくる。

中国は琉球王国を日本から独立させてから中国領土に編入する意思を共産党機関紙などでたびたび主張している。そうなれば米軍は沖縄からいなくなり、人民解放軍が入ってくる。

現在は亡命政府がアメリカにある東トルキスタン共和国が中国に侵略され、新疆ウイグル自治区にさてれしまった時の手口に鑑みれば、中国による

琉球王国・沖縄の日米からの解放

とは、漢族の男性が大挙して移住しての暴力を背景にした混血政策が最初だ。日本国籍を持つ男性は、生きて日本の本土へ移動できれば幸運中の幸運と思う方が良い。

近くに台湾があるから、新疆ウイグル自治区のように人の住む隣が核実験場と言う事にはならないと思いたいところだな。


それでも国際問題は先に手を出した方が不利だ。自衛隊の海上艦船は中国からの攻撃があるまで出て行かない方が良いと思う。






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カントリーリスク3

この話題はどこまで行っても終わることがないので、今日で一区切りにさせておらう。
最後に取り上げるネタはインドである。

もちろん俺自身はインドでのビジネスは知らないので収集した情報による判断であるから、実態にそぐわない可能性はある。

インドの主要言語はヒンディー語であり主要宗教はヒンドゥー教である。インドは人口によってそのプレゼンスを発揮しているだけで、基本的には貧困国である。人口の75%以上が世界の基準で言う「貧困層」なのだ。

インドでは日本のスズキ自動車が大きな地歩を築いているが、関連子会社で大きな暴動があったのは記憶に新しい。また、港湾設備やエネルギー関連のインフラは壊滅的に悪い。そして土地は広いが農業国であるため工場建設の余地はあまりない。


一方で、インドは世界有数の親日国であり、中国との関係は悪い。イギリス連邦の国なので英語話者は比較的多い。IT関連産業は他の産業に比べて非常に強い。

欧米のコールセンター業務を引き受けるなどして欧米とのつながりも深いが一方で識字率の低さも問題化している。


こうしたことに鑑みれば、日本のビジネス界はインドをどう判断するだろうか。

個人的にはインドは農産物生産の委託先としてならかなりの成果が期待できると思う。非識字者たちを農業生産の現場で働いてもらいながら教育をうける機会を与える様な、ビジネスだけではないインドと言う国家への貢献を前提に活動すればかなりの効果が期待できる。

その次または次の次の世代が育つ頃にはその成果としてインドを市場として見られるようになるだろう。

日本でも農業は国家と深く結び付くべき産業である。国のバックアップを強く要求してインドに日本の畑の一部を担ってもらえるように農協の中央組織が動くべきではないのかな。

目先の便利さだけをインドに求めた欧米は失敗しつつあるように見える。日本は第一次産業以外では当面これ以上インドに出るべきではない。アジアの良き友人として互いの利益に目を向けるべきだろう。

幸いなことにインドと日本は国境を接していない。しかし、国家間の関係は昔から結構強い。そう言う良き関係の下地がある国に誠意をもって接すれば本当の国際関係が築けると思う。






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カントリーリスク2

昨日、ミャンマーが次の投資先として不向きではないかと言う話題を出した。
では他の国はどうなのだろう。まずは二つほど見てみよう。

よく話題に上がるのがベトナムとインドネシアだ。

ベトナムは仏教国でしかも日本と同じ大乗仏教系だ。国民は労働を嫌わず、手先が器用な人も多いように感じられる。人口も日本よりやや少ない程度で朝鮮半島全体よりは多い。

日本やロシアによって原発が作られ、高速鉄道計画もある。海に面して南北に長いので海運関係にも有利だ。

中国とは南沙諸島問題で日本の尖閣諸島問題と同じような悩みを抱えている。

そう言ってしまうとかなり良いイメージなのだが、悲しいかな政治体制は中国と同じ共産党の一党独裁体制だ。南沙諸島では喧嘩している一方、広東人たちが手広く商売をやっている。この季節などは広東省の業者が月餅の露店を大量に出してたりするぐらい中国との結び付きも強い。

実際、中国語話者も多いし、広東語だけではなく普通話が通じるところもある。少なくとも日本語よりは中国語の方が一般的だと感じる。

まぁ、実際にどの外国語がと言えば英語が一番多いようなイメージはあるが。

また、勤勉な国民性がクローズアップされる事もあるが、悲しいかな目先のお金が入手できるなら、多少のイカサマや泥棒は正義と言うのが途上国の常であることはベトナムも例外ではない。俺も中国人相手程度の警戒心しか持たずに買い物へ行って、少額ではあるが盗まれた経験もある。

市場での値段のごまかしもかなり酷いものがあるが、これは慣れればそれなりに面白い。(笑)

正直なところ、投資先としては業種や本体の企業体力によって判断は分かれるだろう。平均すれば現状も将来性も中国と同程度だと思う。


インドネシアについては俺自身がビジネスで行ったことがないので集めた情報だけでの判断になるが、あまり良いとは思えない。東南アジア最大の人口と言うのは市場としても魅力だが、一方で地球上で最大のイスラム国家だという難しさも持っている。

まぁ、多宗教のインドネシアだからイスラム教徒でなくても問題はないが、多神教を認めていない国家だからビジネスで根を下ろそうとする日本人には難しい場所である。

国民の五大義務の筆頭は「一神教を信仰すること」である。無宗教も多神教徒も認めてはもらえない。そう言う意味では日本人や中国人からみて付き合いの難しい国民だと言えよう。


実際のところ、海外で人間を雇用する時の難しさは教育の差に殆どの原因が求められる。日本人にとって「子供でも判る常識」が、他の国では「聞いた事もない特殊な要求」になるケースは決して珍しくない。

たとえば、管理職としての重要書類を作成中に、ちょっと判断に悩む部分があって考え込んでいたら、一番下っ端の部下がやってきてパソコン画面をのぞき込み「何か判らないんですか、教えてあげましょうか。」と言ったら、日本人上司はどう感じるだろうか。

上司の文書を覗き込む時点でかなり非常識だと感じるだろうが、その国では「積極的に困っている人の手伝いをしなさい」と言う教育が優先で「目上の人」と言う感覚を教えていなかったら、その下っ端の対応は極めて自然で良い子の対応なのだ。

中国での知人に農業関係の試験栽培をやっている会社の日本人がいる。現地で生産するための品種改良とかそんなモノだそうだ。彼が言うには「日本の小学校一年生がアサガオの種を植えるって言う教育、あれがこんなにも偉大な事だとは思わなかった。」そうだ。

中国人で農業経験のない人に「この種を植えるんだ」と言ったところ、「種を植える」と言う言葉の意味が理解できなかったらしい。日本人からしたら信じられない話だが。もし小学校でアサガオを育てる教育をしてなかったら、日本人だってそうなのかもしれない。


昨日のミャンマーのビルマ語の話題についてもそうだが、通訳に頼り過ぎると良い結果は生まれない。日本人でビルマ語の判る通訳は日本人の感覚を理解できてもそれを現地人の肌に合う言葉に訳せるかと言うとかなり疑問である。しかも日本人通訳は人件費も大変なことになる。

ミャンマー人で日本語のできる通訳を雇った場合、逐語的な翻訳が達者だったとしても、日本人の言葉の後ろにある常識と言う感覚が理解できず、結果として日本人が求める内容が伝わらないことが多い。そして、人件費の安いミャンマーであっても、日本語のできる通訳の給料は飛びぬけて高いのだ。

ビルマ語と言うマイナーな言語だからこうした問題は大きく拡大するが、とどのつまり外国人とのやり取りは、相手の言葉が何であっても言葉の後ろにある文化的教育的背景の差を理解していないと望んだ結果を得るには至らないと考えた方が良い。

そう考えた場合、外国で仕事をするという事は少なくとも班長クラス一人につき一人の通訳を専属させるぐらいの経費を掛けないと成り立たないと言っても過言ではないだろう。


基本は小学校レベルの基礎教育なのだ。しかし、それを徹底しようと思ったら自国に併合するしかなくなる。植民地化どころの騒ぎではない。植民地ではそうした教育などは行われないのが普通だからな。

そう言う意味から見て、日本人が日本人としてビジネスを行うのに最も間接経費がかからないのは日本国内であることは当然のことなのだ。もしどこかの外国で日本人と同じ教育を受け同じ常識を持ち、日本語を同じように操る国があったとすれば、そこでの人件費は日本と同じになり、日本へ製品を送る運賃分余計な経費がかかることになる。

我々が支払った税金は子供の教育にも回されている。海外へ進出することはその税金分を取り戻さず捨てるという意味も持っている。政治でもビジネスでも、拡大主義は結局自分の損になる事は多い。

言い換えれば尖閣諸島や竹島は死守しても、台湾や朝鮮半島を取りに行ってはいけないってことだな。






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中国による反日暴動などで、企業が中国から別の国への移転を検討し始めていることが報道などでも話題に上っている。

今から4〜5年前だったか、中国での事業が軌道に乗ってきたころ、徐々に上がり始めた人件費の話題から、中国からの撤退について話し合ったことがある。

その時に多くの人が胡錦濤国家主席の任期が切れる2013年ごろを挙げていたのは、今になってみると驚きだ。

しかし、一方で中国からどこへシフトするべきかと言う話題になった際は意見が分かれた。


基本的には東南アジア、インド、東欧が候補に上げられたが、現在話題になっているミャンマーを挙げた人は一人もいなかった。

おそらく、当時すでに中国がかなりの勢いでミャンマーに進出して行っていたので、メリットがないと判断した人が多かったんだろう。

現在はアジア最後のフロンティアなどと言って、ミャンマーへの進出ブームを演出している節があるが、もし企業の皆さんが中国からミャンマーへの転出を考えておられるのなら、再考を促したい。

もちろん、中国からの転出は早めに行ったほうが良い。ウチの場合は比較的身軽なので2014年度第一四半期に撤収開始、第二四半期中に撤収完了ぐらいを大まかな目安と考えているが。


では、なぜミャンマーをお勧めしないのか、と言う話だ。

まず、ミャンマーで安価なのは人件費だけで、インフラが整っていないことに起因する設備投資費用は中国に比べてもはるかに高額になるであろうことが挙げられる。

さらに、自力でインフラを整えてもそれに関する維持管理も大変だし、政情不安定な国においては私企業が設置したインフラを国家権力によってお召し上げになることは決して珍しいことではない。ミャンマーは昨年複数政党による民主化を達成したという事になっているが、政権を担っている第一党は軍事政権からの後継政党であることは重要な要素だ。

また、ミャンマーにはすでに数万社の中国企業が進出している。日本の大企業がいくら力を持っていたとしても、一社は一社。中小企業などを誘惑して数増やしをしようとしているのかもしれないが、数万社と言う中国流数の暴力にはどうやってもかなわない。ましてや中国とミャンマーは国境を接している。

そして、これはどこの国にも当てはまることではあるが、言葉の問題がある。ミャンマーの主要言語はビルマ語だ。ビルマ語を話せる人、どの程度いるんだろうな。中国語なら俺でもカタコト程度は話せるが。w

そう言う観点から見ると、インドやフィリピンは英語話者が多いのでアドバンテージがあると言えるのかもしれない。しかし、その辺りの国も他のリスクは避けて通れないが、その話は次回に譲ろう。

そして、ミャンマーの不安要素は文化的背景にも及ぶ。

アウンサンスーチーさんの父君、ビルマ独立の父アウンサン将軍は、旧日本軍の援助を得てイギリスからの独立を勝ち取ったが、大東亜戦争で日本が負けそうになるとイギリス側に寝返り、せっかく建国したビルマ政府を日本に亡命させ、イギリスの支配下に戻してしまった人物である。

その後独立したものの、中国の影響で共産党を標榜する軍事政権が長らく政権の座にあり、いまだに国際社会に完全に受け入れられたとは言い難い状況だ。


そうしたメンタリティの部分での不安があるが、仏教国であるという宗教的安定感はある。日本人にしてみればイスラム教よりはなじみやすいかもしれない。しかしながら日本人の馴染んだ大乗仏教とはかなり趣が異なる上座部仏教であることから、ビジネスの上では必ずしも肯定的に働く要素とは言い切れない。


以上のようなことからミャンマーへの進出はよほど資本的背景のある大企業にしかできないと考える方が妥当だろう。

簡単に言えば投下資本の二倍を損しても屋台骨が揺らがない程度の資本力がないと怖い。

人件費こそかなり安いが、月給1万円の人を一人雇うのに毎月30万円の経費をかける値打ちがあるかどうかで判断されるのがよかろう。


個人的な意見としてはミャンマーに進出するのは中国系企業が撤退してからで十分だと思う。すでに中国には完全に先を越されているので、いまからミャンマーに出て行っても中国系企業を利するだけで日系企業にメリットはないと思う。


ではどこの国に進出/転出するのが良いのか。

結論から言うと日本である。都市部以外のどこかに回帰し、高齢者と若年層を正規雇用するのがおそらくもっとも安上がりだと思う。

例えば、定年退職後の人材を基本給25万円、一切の残業なしで雇用する。勤務できる健康状態が維持できなくなったら退職。交通費以外の手当は支給しない。

同時に学歴不問で25歳未満の人を基本給18万円で雇用する。こちらは時間外もインセンティブ的な手当てもアリだ。


今回は字数の関係でこれ以上の説明はしないが、じっくり考えてみれば、これが一番安上がりな事業形態だという事が判ると思う。カントリーリスクを考えずに外へ行った人たちにも、そろそろ日本と言う生産拠点/市場の魅力に気づいてほしいものだ。

草刈り場として日本が中国に侵食される前にな。






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