春日大社 文化財

春日大社は権力者との繋がりも深かったため、見事な建造物や文化財が奉納され、それが現代まで大切に保存されている。それを見るだけでもなかなかに楽しいものだ。それが公的機関の指定を受けているかどうかにかかわらず、今日は俺が紹介したいと思ったものをいくつか見てもらおう。

画像はクリックで別窓拡大する。




表参道にある石灯籠。それこそ無数にあるが、現在ではこのように二基ずつセットにして置かれている。おそらく当初は参道を挟んで向かい合わせだったのだろうが、現在の参道は非常に広いためこのような形に置き直されたのだろうと思う。一の鳥居から二の鳥居までの間は整地された未舗装路ながら、多分10メートルはあろうという道幅なのだ。

そして大小様々の石灯籠があるが、おおむねこの二種類の形式のどちらかに当てはまるようだった。上が神前灯籠と呼ばれる神社共通の汎用型、下は春日灯籠と呼ばれるこの春日大社向けに作られ始めた石灯籠だということだ。




これは大宮の回廊。春日大社は神奈備である御蓋山の中腹に建っているが、神奈備とはすなわちご神体である山のことなので、神社を建造するためであっても山を削るのは禁忌に当たる。そのため、このように回廊も斜面に沿って建てられているのだそうだ。




しかし、斜面に回廊を設けることになると、平面に建てるのとは異なり各部にねじれや傾きの構造が必要になる。この斗組の部分を見ても棟木や梁の断面に工夫がされているのが見えるだろう。




回廊には無数の吊灯籠が奉じられている。だいたい銅の地金に金鍍金で、最初は金色をしているが次第に緑青を吹いてこのような色になる。

神職の方が指し示しておられるこれは西暦1600年ごろの奉納で、もっとも古い部類に入るそうだ。




左上に金が少し残っているが、注目してほしいのは銘文である。読めるだろうか。

御立願成就如意處也
慶長五年庚子極月吉日
越後国直江山城守息女敬白


神様にお願いしたことが叶いました。
西暦1600年12月吉日
直江兼続の娘


あの「愛」の前立で知られる戦国武将が娘に命じて奉納したものである。ただ、ちょっと疑問なのは1600年12月と言えば直江兼続の主君、上杉景勝が出羽の合戦で敗退せざるを得なくなった時である。なぜにこのような奉納が行われたのだろうか。

もしかすると敗戦の折、前田慶次郎利益に諌められて自害を思いとどまり、見事な撤退戦を行えたことに感謝したのであろうか。いろいろ想像するとそれはそれで楽しいかもしれない。




三つ葉葵の御紋が入ったこれは桂昌院さまの奉納になる灯籠で、金属製の物では春日大社最大の物と言われる。五代将軍綱吉公の母君、玉の輿のお玉さんである。




捻廊(ねじろう)

向かって左側の内侍殿から内侍たちがご本殿に昇殿するための階段。もともとは登廊というストレートな階段だったものを、女性用の階段なので着物の裾捌きをしやすくするために江戸時代の名工、左甚五郎がこのように斜めの階段に改造したそうだ。




直会殿(なおらいでん)。

大きな神社であればどこの神社にもたいてい存在する直会(神事の最後に神饌のお下がりを参加者一同で飲食する儀式)を行うための建物である。この建物が特徴的なのは、斜めに育ってしまった伊吹柏槇の木を切らずに残すため、屋根を貫通させるように建てられていることだろう。

この辺りにも山を侵す禁忌を避けているのがよくわかる。




御本殿第二殿と第三殿の裏側。
屋根の美しさが少しは見えるだろうか。




二の鳥居の手前にある車舎(くるまやどり)

いわゆる賓客用の牛車の車庫である。幾度も改修を重ねられてはいるものの、簡素な構造なので9世紀の建造物が今でも残されているようだ。




これは一般参拝客用の参拝所になっている幣殿を御本殿側から見たところ。前の白砂は林檎の庭と呼ばれる、舞楽や神楽の奉納が行われる場所である。




大宮回廊、外側

中央の緑色の部分が連子窓(れんじまど)になっていて、内外の回廊がたがいに見える。




大宮回廊・内側

上の外側の写真と見比べてもらうとわかるが、どちらも天井に棟が通っている。では外から見るとM字型になっているのかと言うとそうでもない。上から大棟をかぶせてあるので、外から見ると連子窓の真上に棟が通っているように見えるのである。

この構造は12世紀に造られたものだそうだが、希少なので重文指定されているらしい。




回廊内側には吊灯籠がたくさんあるので通れないのかと言うとそうでもなく、このように柱の外側にもちゃんと通路部分があるのだ。金色に見えるのは最近奉納された灯籠で、まだ金鍍金の色が美しい。




回廊西側に三つあるうちの一番南側、慶賀門である。石灯籠は春日型のバリエーションで、ちょっと形状が異なっているのも面白い。




これは若宮殿正面の細殿と神楽殿




細殿内部




神楽殿内部

若宮での祭事の折、ここで神楽などが奉納されるそうだ。




著到殿(ちゃくとうでん)

貴人や勅使などが参拝に訪れた際、ここで着衣を参拝のための物に整えるための建物である。

さて、文化財は以上だが、明日は樹木やその他の神襀を紹介して締めくくりにしたい。奈良の神社は京都の神社に比べると建築物において一歩譲るところがあるが、逆に神社の本質である原生林などが確実に保存されていて、神の御威光を感じずにはいられないことが多い。そのあたりを紹介できればいいな。






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今日の七十二候 9月18日 白露末候:玄鳥去
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