春日大社 大宮参拝

久しぶりに奈良の神社だ。二十二社のうち上七社の一、春日大社(かすがたいしゃ)を紹介しよう。

二十二社とは、よく紹介している式内社の基準となった延喜式神名帳の制定に遅れること約一世紀、国家の重大事に朝廷から特別の奉幣を受ける神社として定められた神社のことである。本来ならばさまざまなご神威に対して全国にあるさまざまな神社の総本社に祈願するべきなのだが、いかんせん交通網の存在しなかった時代のことであるから朝廷から物理的距離が近い畿内の神社が選ばれている。

二十二社はさらに上七社、中七社、下八社に分類され、それが千年以上続いているので現代においても格式が高い神社という風に評価されているといえよう。その上七社のうち五社は京都府下にあり、すでに全部参拝取材と紹介を終えている。

石清水八幡宮
賀茂御祖神社賀茂別雷神社
(あわせて賀茂社)
松尾大社
平野神社
伏見稲荷大社


だ。

そして当然のごとく、どの分類においても最も社格の高い伊勢神宮は畿内の神社ではないが上七社の筆頭に数えられている。まだ紹介はしていないがいずれお伊勢さんにも参拝して紹介はしたいと思っている。しかしながら、あまりにも広大な神社なので何泊かして参拝取材、そして少なくとも10回以上の分割エントリになるだろうから、当分は無理だろうな。

稲荷山のエントリで甲子園球場22.5個分の神域参拝は大変だと書いたが、お伊勢さんは甲子園球場1500個分だし。^^;

ということで、今紹介できる上七社、春日大社に参拝取材に行ってきた。それでも結構広くて写真の数も多くなったから数回に分けて紹介しよう。道順に紹介すると散漫になりそうなので、テーマごとに分類してエントリにしたい。

今日はまず大宮(本宮)の参拝から。

画像はクリックで別窓拡大する。


国道169号線、一の鳥居前T字交差点を東に望むと目の前に一の鳥居がある。大きな神社の割に比較的コンパクトな鳥居だ。しかしながら一般的な明神鳥居ではなく、春日鳥居と呼ばれる特異な形状なのはぱっと見にはわかりにくい。

実は明神鳥居と大きく異なるのは島木(上の横棒の下のほう)の部分なのだ。簡素なものを除いて、一般に明神鳥居の系統の島木は両サイドが斜めに切り落とされているのだが春日鳥居は垂直に切られているのである。

ま、微々たる差のようだが、トリビアとして知っておいても損はないかも。




一の鳥居から東へ約1.2km、神鹿がゆったり過ごしている参道を進むと二の鳥居が。ここからが神社の中心エリアになる。






狛犬さん。台座には春日大社の神紋「下り藤」が刻まれている。




社号標。もちろん近年のものだがなかなかにいい感じの社号標だ。鹿は附属品ではなくたまたまいただけである。(笑)




伏鹿手水所(ふせしかのてみずしょ)

二の鳥居をくぐるとすぐにある。写真の左端に「ご参拝の方々へ」と書かれた駒札が写っているが、ここには手水で清めたあと、左手にある祓戸神社で穢れを祓ってから本殿に向かうよう案内されている。




これがその末社・祓戸神社(はらえどじんじゃ)

ご祭神さまは祓戸四神(はらえどのよはしらのかみ)さまの筆頭、瀬織津姫神(せおりつひめのかみ)さまである。

西暦770年のご鎮座と伝えられ、春日大社における大祓、夏越祓や例大祭へ遣わされる勅使の祓もこの神社の前で行われるという由緒正しき神社である。

にもかかわらず、この神社にお参りする人の姿は全く見受けられなかった。観光バスで来たのであろうご年配の一団も、手水で手を清めたらさっさとご本殿の方へ向かってしまう始末だ。何か所も案内が書かれているのに、ちょっと残念な気がした。




大宮南門。楼門形式のこの門は大宮を囲む回廊の正門にあたる。




幣殿

春日大社に拝殿はない。一般の参拝はこの幣殿前から行うようになっている。ご本殿前まで進んで参拝するには初穂料500円をお納めして中に入らせていただくようになっているのだ。




祓串

初穂料をお納めして中に入らせて頂くと、最初にこれが置いてあるところを通る。ご本殿前に行く前にこれを振ってさらに穢れを祓いましょうと案内されていた。

・・・が、初穂料を払って、神職さんのご案内でいろいろ教えていただいて見学し、ご本殿前に進んで拝礼したわけだが、そのルートにこの前がなかったので使わずじまいだった。つか、この祓串の存在を知ったのは帰りがけだったりする。(笑)




御本殿瑞垣と神門、春日大社では御廊(おろう)と中門(ちゅうもん)と呼ぶ、そして大宮型と呼ばれる灯籠。

瑞垣の上に千木が見えているが、向かって右が第一殿、左が第四殿のものだ。春日大社のご本殿は切妻妻入片庇で屋根に曲線が用いられた春日造と呼ばれる独特の形式である。春日大社はこの春日造の四殿四棟を御本殿としているのだ。

第一殿と第二殿、第三殿と第四殿を接続して四殿二棟のご本殿を持つ、同じ上七社の平野神社のご社殿とは似てはいるもののちょっと異なる。それでも平野造は比翼春日造とも呼ばれるので、春日大社の方がメジャーなのかも。

このようにご社殿が四棟並んでいるわけだが、多くの場合複数社殿の併設型になる御本殿は、奇数社殿の場合中央・左(向かって右)・右(向かって左)の順。偶数社殿の場合、中央寄り左(向かって右)・中央寄り右・外側左・外側右の順で、格式の順位を付けていることが多い。

しかし、この春日大社や平野神社は最も左(向かって右)を第一殿として主祭神様をお祀りし、そこから右へ進んでゆく形式を採っている。


この神社ではご本殿正面の写真撮影は禁じられている。春日造の大変美しい神殿を紹介したかったが、こればかりはやむを得ない。

御本殿はこの瑞垣などとは異なり水銀朱(本朱)塗なので鮮やかな赤色である。そして前に掛けられた御簾は代々皇后陛下からの奉納であると神職さんが言っておられた。

ご祭神さまはご本殿ひとつに一柱の四柱の神様がおられる。

第一殿
相撲の元祖にして雷神の
武甕槌命 さま
たけみかづちのみこと


第二殿
刀剣の神である
経津主命 さま
ふつぬしのみこと


第三殿
天孫降臨の随伴者であり出世の神である
天児屋根命 さま
あめのこやねのみこと


第四殿
天児屋根命さまの奥様、天美津玉照比売命(あめのみつたまてるひめのみこと)さまである
比売神 さま
ひめかみ


の四柱だ。いずれも藤原氏の守護神とされていて藤原氏とのかかわりが深い神様方である。だから日本神話における神様の属性は上に紹介したようなものが多いが、春日大社の公式の案内では武甕槌命さま・経津主命さまは諸神と平和裡に交渉して日本に秩序ある治世をもたらした神様、天児屋根命さまは神事と政治の守り神、比売神さまは平和と愛の神さまとして紹介されている。




これは南門を内側から見たところ。回廊の一部が御神籤やお札の授与所になっているのは大きな神社でよく見かける形式だ。

たくさんの参拝客がいるが、おそらくほとんどが中国人。聞こえてくる言葉の八割までが中国語普通話だ。でもって、ぶっちゃけ俺に理解できる範囲でもロクなことを言っていない。なんで紙切れがこんなに高いのかだとか、小さな鹿の木彫りなんか暴利だとか、そんなことばっかり言ってる。

やっぱり彼らは神様を拝むことを共産党に禁止されたせいでお金を拝むようになったようだ。たまに西洋の言葉でも中国語でもない響きに気づき、日本語かなと思って内容に耳を澄ますと理解できない・・・どうやら韓国語のようだった。orz

正直日本人の数が少ないだけでなく、中国人や韓国人の声の大きさに押されて日本語は耳に届きにくいような気がした。




南門を出ると石灯籠がたくさん並んでいる、長年にわたる奉納の積み重ねがこの景色をもたらしたようだ。




こちらの灯籠群に沿って若宮社の方へと道を取る。明日は若宮社とそれを取り巻く神社神蹟の十五社めぐりを紹介しよう。




これは若宮社へ向かう途中にある本宮神社遥拝所

この春日大社は御蓋山(みかさやま:三笠山とも書く)の頂上、浮雲峰に武甕槌命さまが白鹿の背に乗って天下られたという伝説に端を発していることから、御蓋山を神奈備山としている。毎月一日にはここに御神饌をお供えするそうだ。

この伝説、春日大社の創建と言えるわけだが公式の案内では年号を特定していない。平城京の建都と同時期ということなので8世紀初めという理解でいいだろう。現在の茨城県になる常陸国の一宮、鹿島神宮から武甕槌命さまにおいでを願ったところ上のようにお越しいただけたと言うことだ。

そして西暦768年、現在の千葉県に当たる下総国の一宮、香取神宮から経津主命さまを勧請したとある。だから御祭神さまの第一殿と第二殿さまは関東出身の神さまなのだ。

だからと言うわけでもなかろうが、同時期に大阪府は河内国の一宮である枚岡神社から天児屋根命さまとその妃神である比売神さまを勧請、現在の春日大社の姿の築造を行って第三殿と第四殿にお祀りしたらしい。

だから勧請元の神社がいずれも紀元前7世紀の創建であるのに対して春日大社は8世紀の創建と1400年前後の開きがあるのにもかかわらず、以降現代にいたるまで春日大社のほうが上位に列格されているのは、皇室に次ぐ大きな家系である藤原氏の実力のたまものと言うことなのだろう。






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