終戦の日である。例によって戦争などについて少し考えてみたい。あまり長いのもなんだから、テーマを一つに絞って短めに行こう。
自分自身と家族のためについて考えてみてくれ。欲しいのは「平和」か「安全」のどちらだい?
もちろん絶対的な平和や安全と言うのは概念的な物にしか過ぎず実在するはずのない物だが、まぁ一般的な感覚で良いだろう。つまり平和とは戦争が起こっていないこと、安全とは自分の生活を脅かす出来事が「珍しい」というレベルの確率でしか起こらない事と考えてくれ。
平和であれば武力によって自分の生活が脅かされることはないだろう。だから平和であれば安全に近づけることは間違いない。しかし、我々が安全な生活を送っている今この時でさえパレスチナやイラク、ウクライナなどでは武力紛争が発生していて、世界は到底平和とは言い難い状況だ。
一方日本に目を移すと、例えば朝鮮半島との間では16世紀以来「戦争」は起こっていない。もちろん19世紀末から20世紀に掛けての韓国併合は存在するが、これは戦争についての定義に従えばむしろ平和的な併合であったと言える。しかし、平和であっても当時の朝鮮人や日本人にとって「安全」であったかどうかは極めて疑わしい。
さらに、昭和40年代半ばから発生した北朝鮮による日本人の拉致問題。これは日本人にとって平和の中で起こった外国による安全を脅かす行為であるし、解決していない以上、現在もなお北朝鮮によって日本が侵略を継続されていると言うことでもある。
また、昭和28年に起こった韓国による島根県竹島の武力侵略。日本側はできて間もない日本国憲法の精神に従おうとした結果たくさんの漁民の犠牲と領土の喪失と言う現象をもたらした。これは日本が平和であろうと努力したが、軍事作戦を展開した韓国によって日本の安全が損なわれたと言うことだな。その危険性はいまだに北朝鮮との間で戦争状態にある韓国のせいで現在に至るまで継続されてもいる。
そして民間船に偽装した中国の侵略用舟艇や自称警察組織と言う海軍による尖閣諸島領域への攻撃的領海侵犯。これもまた日本が戦争に巻き込まれていることの証左だ。
聞けばロシア空軍の東京急行も復活の兆しを見せているらしいし、正直言って日本は平和ではないと思う。どうしても海上の国境線から離れたところに住んでいると日本は平和で安全だと勘違いしがちだが、決してそんなことはないのだ。
そこで今日の終戦の日において、自分の本音を見つめて欲しい。二択を迫られた場合、求めるのは平和なのか安全なのかと言うことだ。つまり、世界の人々が、あるいは世界では広過ぎると言うなら、このアジアの中で武力紛争がない平和を求めるのか、それとも自国さえ安全なら他国の戦争なんか知ったこっちゃないと言う態度を取るのかだ。
こう言えば平和を求めたくなるだろうが、その平和を得るために自分や家族の安全がないがしろにされるとすればどうだ?
日本国憲法の前文にもあるように平和と安全を求めることは日本人の義務の一つでもあると言って差し支えないだろう。ただ、よく読んでみるとただの理想主義に陥らないように細心の注意も払われている。
前文から逐語的に抜粋してみる。
「われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果」
これは国際協調の重要性を説いている。一方で協和に乗って来ない相手とはそれなりに、という本音も見え隠れだな。
「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」
戦争の惨禍が起こることのないようにと言うのは非常に重要だ。政府が覇権主義に陥って戦争状態を出来させることはもう願い下げだからな。
「恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚」
字義通り、これは日本国民たるものが心に持たなければいけない【理想】について語ったものだ。
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」
つまり、諸外国を信頼することが前提の性善説的な文面で、これが実現できることが文字通り理想だろうと思う。しかし一つ問題があるとすれば、「信頼に値しない外国」が一つでもあれば破綻することだ。しかし、そのほころびを補うため自衛隊と自衛権※1と言うものの存在がある。そのおかげで危ういバランスながら現在の平和で戦争をしない日本が保たれていると言えるだろう。
※1:本来自衛権に個別的とか集団的の区別はない。それはかつて自衛隊の存在について政治的な駆け引きの際に生まれた逃げ口上の一つに過ぎないのだ。
「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」
日本人はこれを特によく知らなくてはならない。これは「方法を問わず武力紛争をしかける国」や「専制を行う国」、「隷従を強要する国」、「圧迫や偏狭を用いる国」を国際社会から除去することにおいて率先した行動をとると言うことだ。
「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。」
これも性善説的な文言だが、逆に言えば他国の責務についてまで自国の憲法に謳うのはいささか高慢な態度だと言えなくもないかな。
個人的な考えだが、日本と言う国は市井の人々が平和の理想を掲げ、政治家が安全を主張しているように思える。それはそれで良いことなのだろうが、よりよい社会のためには政治家が百年の大計として理想主義的な平和を論じ、市井の人々はそれに対して目前の安全を要求すると言う関係がもう少し目立っても良いのじゃないかと言う気がするのだ。
自分自身と家族のためについて考えてみてくれ。欲しいのは「平和」か「安全」のどちらだい?
もちろん絶対的な平和や安全と言うのは概念的な物にしか過ぎず実在するはずのない物だが、まぁ一般的な感覚で良いだろう。つまり平和とは戦争が起こっていないこと、安全とは自分の生活を脅かす出来事が「珍しい」というレベルの確率でしか起こらない事と考えてくれ。
平和であれば武力によって自分の生活が脅かされることはないだろう。だから平和であれば安全に近づけることは間違いない。しかし、我々が安全な生活を送っている今この時でさえパレスチナやイラク、ウクライナなどでは武力紛争が発生していて、世界は到底平和とは言い難い状況だ。
一方日本に目を移すと、例えば朝鮮半島との間では16世紀以来「戦争」は起こっていない。もちろん19世紀末から20世紀に掛けての韓国併合は存在するが、これは戦争についての定義に従えばむしろ平和的な併合であったと言える。しかし、平和であっても当時の朝鮮人や日本人にとって「安全」であったかどうかは極めて疑わしい。
さらに、昭和40年代半ばから発生した北朝鮮による日本人の拉致問題。これは日本人にとって平和の中で起こった外国による安全を脅かす行為であるし、解決していない以上、現在もなお北朝鮮によって日本が侵略を継続されていると言うことでもある。
また、昭和28年に起こった韓国による島根県竹島の武力侵略。日本側はできて間もない日本国憲法の精神に従おうとした結果たくさんの漁民の犠牲と領土の喪失と言う現象をもたらした。これは日本が平和であろうと努力したが、軍事作戦を展開した韓国によって日本の安全が損なわれたと言うことだな。その危険性はいまだに北朝鮮との間で戦争状態にある韓国のせいで現在に至るまで継続されてもいる。
そして民間船に偽装した中国の侵略用舟艇や自称警察組織と言う海軍による尖閣諸島領域への攻撃的領海侵犯。これもまた日本が戦争に巻き込まれていることの証左だ。
聞けばロシア空軍の東京急行も復活の兆しを見せているらしいし、正直言って日本は平和ではないと思う。どうしても海上の国境線から離れたところに住んでいると日本は平和で安全だと勘違いしがちだが、決してそんなことはないのだ。
そこで今日の終戦の日において、自分の本音を見つめて欲しい。二択を迫られた場合、求めるのは平和なのか安全なのかと言うことだ。つまり、世界の人々が、あるいは世界では広過ぎると言うなら、このアジアの中で武力紛争がない平和を求めるのか、それとも自国さえ安全なら他国の戦争なんか知ったこっちゃないと言う態度を取るのかだ。
こう言えば平和を求めたくなるだろうが、その平和を得るために自分や家族の安全がないがしろにされるとすればどうだ?
日本国憲法の前文にもあるように平和と安全を求めることは日本人の義務の一つでもあると言って差し支えないだろう。ただ、よく読んでみるとただの理想主義に陥らないように細心の注意も払われている。
前文から逐語的に抜粋してみる。
「われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果」
これは国際協調の重要性を説いている。一方で協和に乗って来ない相手とはそれなりに、という本音も見え隠れだな。
「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」
戦争の惨禍が起こることのないようにと言うのは非常に重要だ。政府が覇権主義に陥って戦争状態を出来させることはもう願い下げだからな。
「恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚」
字義通り、これは日本国民たるものが心に持たなければいけない【理想】について語ったものだ。
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」
つまり、諸外国を信頼することが前提の性善説的な文面で、これが実現できることが文字通り理想だろうと思う。しかし一つ問題があるとすれば、「信頼に値しない外国」が一つでもあれば破綻することだ。しかし、そのほころびを補うため自衛隊と自衛権※1と言うものの存在がある。そのおかげで危ういバランスながら現在の平和で戦争をしない日本が保たれていると言えるだろう。
※1:本来自衛権に個別的とか集団的の区別はない。それはかつて自衛隊の存在について政治的な駆け引きの際に生まれた逃げ口上の一つに過ぎないのだ。
「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」
日本人はこれを特によく知らなくてはならない。これは「方法を問わず武力紛争をしかける国」や「専制を行う国」、「隷従を強要する国」、「圧迫や偏狭を用いる国」を国際社会から除去することにおいて率先した行動をとると言うことだ。
「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。」
これも性善説的な文言だが、逆に言えば他国の責務についてまで自国の憲法に謳うのはいささか高慢な態度だと言えなくもないかな。
個人的な考えだが、日本と言う国は市井の人々が平和の理想を掲げ、政治家が安全を主張しているように思える。それはそれで良いことなのだろうが、よりよい社会のためには政治家が百年の大計として理想主義的な平和を論じ、市井の人々はそれに対して目前の安全を要求すると言う関係がもう少し目立っても良いのじゃないかと言う気がするのだ。
- 2014.08.15 Friday
- 05:19
- comments(4)
- trackbacks(0)
- by 管狸人
コメント
- 气
- 2014/08/15 11:44 AM
- 管狸人
- 2014/08/15 5:34 PM
气さん>
こんにちは。
>アメリカ在住組として一般生活は比較的「安全」です。
>北米は国としては「平和」ではありません。
それは良く理解できます。しかしながら、アメリカはパックス・アメリカーナと言う多少問題を含んだ方法ではあるものの、覇権主義を利用した世界平和を目指しているように思えます。
私は覇権主義に反対する立場ですが、それでもなお中国やロシアのそれと比べれば数百倍マシだと思います。
>911以降
>かなり「平和ボケ」
やはりアメリカにおいてはかなりショッキングだったのでしょうね。アメリカの場合平和ボケと言うより安全ボケかな。
>同じ事が日本で起きませんように。
まったくです。まぁ、イスラム圏との衝突の可能性はアメリカに比べると低いでしょうが同盟国であるはずの韓国ですらあの態度ですから、中国・朝鮮半島・ロシアは「顕在的」危険因子だと個人的に思ってます。
こんにちは。
>アメリカ在住組として一般生活は比較的「安全」です。
>北米は国としては「平和」ではありません。
それは良く理解できます。しかしながら、アメリカはパックス・アメリカーナと言う多少問題を含んだ方法ではあるものの、覇権主義を利用した世界平和を目指しているように思えます。
私は覇権主義に反対する立場ですが、それでもなお中国やロシアのそれと比べれば数百倍マシだと思います。
>911以降
>かなり「平和ボケ」
やはりアメリカにおいてはかなりショッキングだったのでしょうね。アメリカの場合平和ボケと言うより安全ボケかな。
>同じ事が日本で起きませんように。
まったくです。まぁ、イスラム圏との衝突の可能性はアメリカに比べると低いでしょうが同盟国であるはずの韓国ですらあの態度ですから、中国・朝鮮半島・ロシアは「顕在的」危険因子だと個人的に思ってます。
- metalrainbow
- 2014/08/16 2:53 AM
こんばんど〜す。
記事のタイトルを拝見して工事現場のあのヲッサンパネルの話題かと思ってしまいました^^。
たまたま、1945年8月15の玉音放送をニュースサイトで聞いていたところです。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/14/gyokuon-hoso_n_5677338.html
いま、一番恐ろしい考え方は、日本は「大丈夫だろう」という絶対的な思い込みです。そんなの誰にも約束も保障もでけませんって。
外交関係が今以上に緊迫した状況に陥ったとき、国内に潜んでいる外国の工作員が色んなところで動き出す可能性があるわけですが、何しろ私たちにはそういった免疫すらありません。
韓国は朴槿恵政権が傾いて日本叩きどころの騒ぎではなくなり、長い物に巻かれろ方式で中国に媚びを売り始め、中国とロシアもイケイケどんどんムードが強まってきています。
隣国がこんな状態でよく日本が安全と言えたものだと……。
記事にしていただいた話題は私たちの生活に直結してますから、普段から身近なひとたちとも気軽に、というか率直に語り合える社会が理想なのですが、あまりそういう話題を好まない市井の雰囲気の方が異常なんだと気付かなければならない段階に来ていると思うんだすよ。
記事の方、ブックマークさせていただきました。
記事のタイトルを拝見して工事現場のあのヲッサンパネルの話題かと思ってしまいました^^。
たまたま、1945年8月15の玉音放送をニュースサイトで聞いていたところです。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/14/gyokuon-hoso_n_5677338.html
いま、一番恐ろしい考え方は、日本は「大丈夫だろう」という絶対的な思い込みです。そんなの誰にも約束も保障もでけませんって。
外交関係が今以上に緊迫した状況に陥ったとき、国内に潜んでいる外国の工作員が色んなところで動き出す可能性があるわけですが、何しろ私たちにはそういった免疫すらありません。
韓国は朴槿恵政権が傾いて日本叩きどころの騒ぎではなくなり、長い物に巻かれろ方式で中国に媚びを売り始め、中国とロシアもイケイケどんどんムードが強まってきています。
隣国がこんな状態でよく日本が安全と言えたものだと……。
記事にしていただいた話題は私たちの生活に直結してますから、普段から身近なひとたちとも気軽に、というか率直に語り合える社会が理想なのですが、あまりそういう話題を好まない市井の雰囲気の方が異常なんだと気付かなければならない段階に来ていると思うんだすよ。
記事の方、ブックマークさせていただきました。
- 管狸人
- 2014/08/16 6:13 AM
metalrainbowさん>
こんにちは。
>ヲッサンパネル
あはは、それをイメージしてはいたんですけどね。w
>玉音放送
以前にも話題にしたんですが、あれは画期的だったんですよね。実は日本がポツダム宣言の受諾を各国に通知したのは8月14日、調印したのは9月2日なので、8月15日については国際的に何らの行動がとられた日でもないんです。
でも、8月15日は日本の歴史上初めて臣下を通さず天皇陛下が自らのお言葉で国民全体に直接詔勅を下された記念日なんですよ。それが「終戦の詔勅」だったから「終戦記念日」なんです。
8月14日や9月2日だったら「敗戦記念日」になってたでしょうね。
>いま、一番恐ろしい考え方は、日本は「大丈夫だろう」という絶対的な思い込みです。
それを誘導しようと言う悪辣な輩も多いです。昨日NHKにそんな奴が出て偉そうなことを言ってましたね。
>国内に潜んでいる外国の工作員
数十万人単位でいるんですよね。しかもそれを隠そうともしていない。中国人留学生はすべからく中国共産党への逐次報告義務を負って日本に入っていますし、その事を平気で話してくれます。まぁ、スパイと言うほど大仰なモノは数少ないでしょうが。
>率直に語り合える社会
これは過去の悪しき風習かもしれません。自由にものが言えなかった時代の習慣が、今になって逆方向にも働いているのじゃないかと思います。
>ブックマーク
ありがとうございます。
こんにちは。
>ヲッサンパネル
あはは、それをイメージしてはいたんですけどね。w
>玉音放送
以前にも話題にしたんですが、あれは画期的だったんですよね。実は日本がポツダム宣言の受諾を各国に通知したのは8月14日、調印したのは9月2日なので、8月15日については国際的に何らの行動がとられた日でもないんです。
でも、8月15日は日本の歴史上初めて臣下を通さず天皇陛下が自らのお言葉で国民全体に直接詔勅を下された記念日なんですよ。それが「終戦の詔勅」だったから「終戦記念日」なんです。
8月14日や9月2日だったら「敗戦記念日」になってたでしょうね。
>いま、一番恐ろしい考え方は、日本は「大丈夫だろう」という絶対的な思い込みです。
それを誘導しようと言う悪辣な輩も多いです。昨日NHKにそんな奴が出て偉そうなことを言ってましたね。
>国内に潜んでいる外国の工作員
数十万人単位でいるんですよね。しかもそれを隠そうともしていない。中国人留学生はすべからく中国共産党への逐次報告義務を負って日本に入っていますし、その事を平気で話してくれます。まぁ、スパイと言うほど大仰なモノは数少ないでしょうが。
>率直に語り合える社会
これは過去の悪しき風習かもしれません。自由にものが言えなかった時代の習慣が、今になって逆方向にも働いているのじゃないかと思います。
>ブックマーク
ありがとうございます。
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それでも少なくとも東北部中流階層では911以降、管狸人さんの提示した「安全」を主体とした思考/認識改革があったと感じます。
それまではかなり「平和ボケ」してましたし。
願わくば同じ事が日本で起きませんように。