田中神社(京都市左京区)

今回は京都大学から少し北の方に行った地域の氏神様を紹介しよう。日本でもトップクラスの人数を誇る田中姓の祖とも言われる地域の神社だ。

画像は全部部クリックで別窓拡大する。


参道。本来であればこの撮影位置の少し後ろに一の鳥居があるのだが、周辺を工事していて撮影できなかった。




二の鳥居




拝殿

綺麗に緑青で覆われた銅葺の入母屋造である。




例大祭が近いのだろう、神輿が置いてあった。




軒唐破風と拝所。神紋は徳川葵である。ご由緒書きには徳川将軍家の信仰も篤いと書いてあった。

先にこの地は田中姓の祖と書いた。賀茂氏族の一つ田中氏(はふり:中世以降は下級神職、古代には神職全般を指した)として神に仕えていた神社の支配地域を田中と言う地名で呼んだのだが、それがこの一帯なのである。

この神社は距離も近いことから賀茂御祖神社との関係も深いのだが、その賀茂御祖神社は中心氏族である賀茂氏の氏神様であり、発掘によると紀元前どころか縄文時代までさかのぼる可能性のある神社なのだ。従って田中姓も相当古い時代から存在するのは間違いないだろう。

現在のご本殿は比較的新しく見えるが、江戸の初期には賀茂御祖神社で使われていた社殿を本殿・拝殿として拝領、対価として十一貫文の奉納を行ったとある。貫文だから銅貨での奉納のようだが、金貨に換算すると当時のレートで2.75両。現在で言えばどのくらいになるかは基準になるものがないので単純比較はしにくいが、超概算物価比較で40万円程度だろう。ということでやはり中古の社殿は飽くまで下鴨神社からのご下賜としての色合いが濃かったものと思われる。


さらに中世以降、この一帯は応仁の乱の戦災や天文法華の乱での法華宗の攻撃に逢って荒廃した。この地の住民たちは田中講(たなかのかまえ)と言う自警団を組織して対抗したようだが神社の記録などは大半がこの時に焼失したらしい。

現在確認できる記録は平安時代中期程度のものが多少焼け残っているそうだ。




瑞垣から檜皮葺一間社流造のご本殿の屋根を望む。

実は、表の駐車場に車を停めた際、申し出るように書かれていたのだがあいにく社務所は無人。止む無く先にご本殿にお参りしてみると、中で神社の方が忙しく立ち働いておられるのに気付いた。ワイシャツにネクタイ姿だったので権禰宜さんじゃないかとも思う。(権禰宜さんは神職ではなく一般職員であることが多い。)

そこで声をかけて駐車の許可を頂いたわけだが、その人が

今日は月次祭(つきなみさい)だから良かったら参列しないか

とお誘い下さったのだ。

一瞬こちらが躊躇ったのを見て取ったのか、今日は参列者が少ないので参列してもらえると神さまもお喜びになるとフォローされた。せっかくなのでありがたくお受けすることにしたが、祭事までは少々時間があるのでその間に境内を撮影したと言うわけだ。








こちらは末社・玉柳稲荷神社(たまやなぎいなりじんじゃ)

上で紹介した中世のこの神社の歴史の中で、ここから200メートルほど北には談合の森と言うものがあった。周辺地域の住民たちとの戦略会議を開いた場所だと言われている。明治の初年には団子の森と呼ばれた、今はもう存在しないその森にはこの稲荷社があったのだが、明治の世になり、地域がどんどん開発されてゆく中で、信仰心の篤い地元民のたっての希望でこの地に遷座されたとのこと。

もちろんご祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)さまである。




御神水の池




こちらは伊勢神宮の遥拝所




境内の一角にケージがあって、中を覗くと白くて大きな鳥が尻を見せていた。




反対側へ回って・・・白クジャクだった。しかしこやつ、写真を取ろうとケージにレンズを突っ込むと寄って来るので全身像が撮れない。雄だから羽を広げてほしかったのだが・・・ま、この季節じゃ無理かもな。




隣のケージには普通のクジャクが。こっちもオスだ。




羽こそ広げてくれなかったが、撮りやすいポジションを取ってくれた。来年の早春ごろに羽を期待して再訪することにしよう。

しかし、なぜにクジャク。しかも珍しい白クジャクまでとは何か謂れがあるのかと思って尋ねたら、禰宜さんの人脈でサーカスから譲り受けたのだとか。

う〜むその禰宜さん、タダモノじゃないな。w




祭事の時間が迫ってきたので幣殿に入らせて頂く。




正面には御本殿の扉。神饌が置かれている。

ご祭神は地祇の筆頭とお呼びしても良いだろう

大国主大神 さま
おおくにぬしのおおかみ


である。




この神社には摂社四社と謳われているのに境内には末社の玉柳稲荷社以外に摂社殿が見当たらないと思っていたら、ご本殿と同じ瑞垣の中に社殿があった。四社ともお名前が黒くなって読めなくなっているので写真は一社だけ代表で紹介する。

ご祭神は

まず素戔嗚尊様の奥さまの櫛名田比売さま、ここでは稲田姫大神(いなだひめおおかみ)さまとされている。

さらに主祭神大国主命さまのご子息である事代主大神(ことしろぬしおおかみ)さま、

稲荷神さまである倉稲魂大神(うかのみたまおおかみ)さま、

主祭神大国主命さまと並んで有名な地祇、猿田彦大神(さるたひこおおかみ)さまの以上四柱の神さまである。


で、いよいよ月次祭の祭事なのだが、みると参列者は氏子総代の女性と男性が一人、そして俺の合計三名。最初はあと二人幼児とそのお母さんらしき人もいたのだが祭事が始まると姿が見えなくなっていた。

流石にこの状況で祭事を撮影する度胸は俺にはない。

今回の祭りは宮司ではなく禰宜さんが執り行われるようだった。最初にご招待下さった男性は後ろで式次第の読み上げとウォークマンを利用して雅楽を流す係をしておられた。

最初に大幣と鈴剣(神楽鈴)を使ってのお祓い、神饌献供、祝詞奏上、玉串奉納とつつがなく進み、俺も久しぶりに玉串を奉納させて頂いた。




お祭りは撮影できなかったが、禰宜さんが女性だったのでお願いして稲荷社の前でお写真を頂いたのだ。


しかしこの参列者の少なさは・・・^^;

床几の準備状況から見て普段はずっと参列者が多いのだろう。神無月の中の日ということで参列をさぼった人が多いのかもな。(笑)

しかし、そもそも神無月と言うのは神の月の訛化で神様がいなくなる月などという珍説は江戸時代に流布されたものだ。それにこの神社の主祭神は大国主大神さま、つまり出雲大社のご分霊さまだぜ。

でもって神無月の俗説に従ったとしても江戸時代にできた別説に言う神無月の留守神さまはゑびす神さま、すなわち事代主大神さまなのでこの神社にはしっかり神様がおられるってことにもなる。

まぁ皆さんいろいろあって忙しいのだろうが、何も神無月だからと言って神社に足を運ばないのはどうかと思う。これじゃ氏子無月になっちゃうよな。w






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コメント
  • ゴロ助っ♪
  • 2013/10/17 10:23 PM
こんばんは。
神さまがお喜びになる、というお誘いもいいですね。
なにより貸し切りのような・・・ありがたいことカモッ♪

私は年中苦しい時だけ神様へ参り。
それでも良いことばかりのような・・・。
だいたい木立ちの中にいらっしゃってそれだけで気分転換。
なにより拝むことがもしやいいのかな?ってなことも考えた先日です。

クジャク、よく見ればかわいい顔していましたね(^_-)-☆
ちょっと素朴に・・・サーカスとクジャクってなにか関係ありましたっけ?^^;

 

ゴロ助っ♪さん>
こんばんは。

>貸し切り
本当にそうでしたよ。しかも私だけが初めての参加で「見知らぬ人」の立場でしたから居心地の悪いこと。w

>なにより拝むことがもしやいいのかな?
そうかもしれませんね。私も色々お願いしてるんですが・・・orz

>サーカスとクジャクってなにか関係ありましたっけ?^^;
私も同じこと思いました。w

 

  • 2013/10/18 11:02 AM
>参列者は氏子総代の女性と男性が一人、そして俺の合計三名
>さぼった人が多いのかも

その日に偶然立ち寄り、そして丁度良い時間に呼び込まれる「縁」の強さに脱帽。素晴らしいですね。

>田中神社
なんてのがある事すら知りませんでした。なんだかんだ言っても私の苗字ですからねぇ、不思議です。

 

气さん>
こんにちは。

>「縁」の強さ
言われてみればそうですよね、きっとご縁があったのでしょう。これからはたまにでも立ち寄るようにしなくちゃですね。

>>田中神社
>なんてのがある事すら知りませんでした。
なぁに、まだまだですぜ。予告になりますが明日もお楽しみに。

 

  • 通りすがり
  • 2016/09/13 6:28 PM
田中神社の宮司は写真の女性です。

 

通りすがりさん>

おぉ、そうなんですか。ありがとうございます。

 

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